感想15ぐらい?

『卒業』東野圭吾
「親友なら私も知ってるはず、親友は私に言ってくれるはず」こんなことを準主役の沙都子が言う。今ならそれが懐かしい若い俺の言いそうな事だと括ることもできる。高校時代大学時代の俺もそう思うことがあった。よく言っていた気がする。言ってくれよ、隠し事は無しだと。いわゆる青春時代はそんな青臭い感じでいいかもしれないな。人にはそれぞれの事情があり、無理に言う必要はないということを理解できなかった。俺は今でも色々人に事情を言うことができる。それでも言わない人のことを少しは理解できる気がする。
この作品はそんな全てをぶっちゃけて当然だった学生時代を思い出させた。沙都子の裏切られたような気持ちを何度も俺も味わってきた。みな同じような感情を抱くのかと驚かされる。
主役の加賀のキャラはおもしろい。ドジャースのスカジャンで高級ホテルに行ってみたり、冒頭でいきなり告白したりとにかく変。誰かを思い出させる。
読後感は少し微妙。こんな風にはなりたくないかな。