本当の愛情を探す日々。表現方法はたくさんあるのも分かっている。
でもすぐに手を噛んでくる。おれの傷はなかなか瘡蓋にはなってくれないのさ。思い出という血がふつふつと湧き出てくる。
紳士だし必死に生きてる、だって犬なんだから。人間のように雑念はないから素晴らしい。
でも噛む時本当に痛い時がある。おれの手の皮膚の強さを分かってくれてない。おれが温もりを備えていることを忘れているんだ。
そうだ、犬は自分が行きたい道だけを行こうとする。チワワが左に行こうとしても、ブルドッグが右に行きたいなら、ブルドッグはチワワをつれて右に行こうとする。それじゃだめだ。
チワワにはチワワの行き方があるんだ。ブルドッグなんだったらチワワの行き方を認めてやれ。ブルドッグだけが犬辞典に載っているわけじゃない。トイプードルもダックスフンドもいるじゃねーか。
正しさも答えも道も一つじゃねーんだぞ。
まず尊重するんだ。
思い通りに行くことなんて他犬がいる限りありえないぞ。
話はそれからだ。
多分頭じゃ分かってるけど身体ができない、犬そして犬。