網とのあいだ

だいたいのものは通り抜けていくか、残るかで分類される。それはまるで食塩水を通せば食塩だけが残る網のような、はたまた残尿感のような存在だ。真水だけが流れていく。網が心で、流れていく事象。網は一つのほつれによって潰れることもある。



人間という言葉を思いついた人は、結構すごい人なのかもしれない。humanbeingを訳す時に、「人」にならなかったのがすごい。
人間にはどれだけ近づいても間が存在する。100%の解り合いは存在しない。また一定の距離感を取ることが人間関係を気付きあげるベストの状態だと言われる。実際にどんな人も相手に自分の本音を100%出してはいない。どこかで距離を遠ざけている。ただしこれは日本に限る。これは本音と建前に近い発想だろうから。
どちらの意味でも間が存在し、それが必要とされてきた。つまり人+間=人間と考えた人は、人間関係に苦しんだ人なのではないだろうか。